ホテルセンチュリーアート 若旦那・若女将の日記

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博多駅前のミスト冷却

こういう風景を目にすると、夏がやってきているのを実感します。

博多駅前広場で、「ミスト冷却」が始まりました!

7月から10月末までの4ヶ月間、駅前広場でひんやり涼めます。待ち合わせの時なども嬉しいですね(^^)

この「ミスト冷却」は、ミストが蒸発する(水蒸気になる)時には、熱が必要となるという原理を利用していて、ミストのまわりから熱を奪うことで、まわりの温度が2~3℃下がるという仕組みです。

水が水蒸気になることを蒸発と言いますが、やかんでお湯を沸かすようなイメージで、水は通常は100℃で蒸発します。より蒸発しやすくするということ(冷却効果を高めること)、人に不快感を与えないことがポイントで、水ではなく、ミストを噴射しています。

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このミスト冷却は、ヒートアイランド(夏に冷房の排熱などにより都市の温度があがること)にも寄与します。また、ドアを開放しているところなどは、外気から暖かい空気が入り、冷房負荷が増えてしまいますので、入り口近辺の温度を下げ、建物にかかる冷房負荷を下げるということでは、省エネ・節電に寄与するとも言えます。

ミスト冷却は、体感で感じる冷房効果が大きいことも特徴です。大空間や半屋内空間の空調はとても難しいと言われており、このような空間は、ミスト冷却などスポットでの空調というのも一つの手法として有効です。

室内でのミスト冷却は、室内の湿度が上がり、快適性が失われるため、一般的にはあまり向いていないと言われています。

数年前から節電手法として、打ち水が紹介されていますが、ミスト冷却と同じ原理です。昔から人々の知恵としてあったものが、こういった形で進化しているのです。

 

他の事例で、エアコンの室外機にミストを噴射し、周辺の温度を下げ、冷房の運転効率を上げるというのもあります。もちろん、エアコンの効率が上がっても、ミスト噴霧にかかる動力を含めたシステム全体での評価が必要になります。

空調設備は一概にこれが良いというシステムはないと思います。適材適所で、こういう空間であれば、こういう設備が向いている、またその空間をどこまで快適な空間にするかといったことを総合的に考えた結果、最適なシステムというのが回答としてあると思います。そして、設備の導入で終わるのではなく、運用をどうしていくかということもとても大事になります。これは設備に関わらず、物事全般に通じる考え方と思います。

博多駅前のミスト冷却を見て、 改めてそういったことを考えさせられました。

昔私が勉強していたこともあり、今日の話題は少しマニアックでしたかね・・そして長くなりました。

お付き合いいただき、ありがとうございます。

  

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